THE VOICE

スペシャリストの語りから紐解く、BBSのものづくりの志

VOICE 01

モータージャーナリスト
飯田 裕子

思わずさわりたくなる、
ホイールという名の工芸品。

人のぬくもりを感じる、
血のかよったものづくり。

「ミリミリミリ」という音とともに、金属の塊が押しつぶされていく。鍛造機がゆっくりと上昇し、炎に包まれたホイールの原形が現れる。BBS高岡工場を初めて訪れた日、無数のホイールを前に、私は不思議なぬくもりを感じていました。時間をかけて少しずつ、やさしくいたわるように金属をプレスし、命を吹き込んでいく。機械の動きさえ、人の手つきに見えてくる。そこは、つくり手のこだわりや想いで満ちあふれていました。

9000tを筆頭に6台の油圧鍛造機が稼働。
インチ数や工程で使い分け、基礎から意匠まで鍛造で形づくる。

確かなものだけをつくる。
それが、鍛造にこだわる理由。

工場見学をしてからというもの、私の関心は自然とホイールへ向くようになりました。BBSホイールを体験する機会を見つけては、その軽快な走りに心を打たれる日々。そして、ホイールは消耗品ではなく、いいものは一生使えるということに気づいたんです。金属を鍛え抜き、強靭さを引き出すことで軽さも美しさも犠牲にしない。性能だけを追究した無駄のない機能美は、まさに鍛造ゆえの魅力だと思います。

金型は、鍛造自体の品質を左右する重要な部品。
BBSはそのすべてを自社で製造・管理している。

品質への飽くなき探究心が、
ユーザーの心を満たしていく。

BBSホイールはしばしば工芸品に例えられますが、指に吸いつくようなその質感はまさに上質なアクセサリーのよう。熟練した職人が1本ずつ丹念な手仕上げ加工を施すことで、「裏側まで美しい」と言われる品質を磨いているのです。BBSがBBSであり続けるために、常に期待を超え続ける。それまでのホイールになかった新しい価値を、最高の技術で生み出し続ける。その姿勢を多くの人に伝えていくことが、私の役目だと感じています。

表面の肌荒れを取り除き、細かいバリやエッジを面取り。
ほんのわずかな傷や曇りも見逃さない。